I’m close to the edge.

マッチで火をつけるのが彼のこだわりか。
赤い蝋燭に灯された光を、私は横目で見る。
すでに私の身体は拘束され自由は無い。
溶け出す蝋、女の裸体、拘束された四肢。
材料は、揃った。

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「んっ…!あぁっ!!」

私の悲鳴は信じたくないほど甘く、媚びているようだった。

熱で溶けた蝋燭が肌に当たる。

そのたびに、私の嬌声が鼓膜を揺らす。

「いやらしい女だ。マゾヒスト…、お前はそんな類いの人間だろう?」
彼が私を嘲笑う。
言い返してやりたい。

私はこんなんじゃない。

私はマゾヒストなんかじゃない。

でも、頭が働かなくて、言葉がでない。

出るのは、まるで他人のような私の声だけ。
「認めろ。堕ちろ。痛みの快楽に溺れろ。」
私はいま、淵にいるのだ。

この境界線を越えたら、

私はきっと戻ることができない。

その淵は、あまりに、近すぎた…。

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