未満の関係

写メ日記で2016年3月26日に公開したものです。


 

突然訪ねて来た君は、

何故か僕の部屋でAVを見始める。

開始数分の前フリを早送りして、

行為の部分から熱心に鑑賞しだす君。

無表情のまま、ただじっと画面を見ている。

君と僕は彼女、彼氏の関係ではないし、

身体を重ねたこともない。

いや、むしろ僕は、君の手にすら触れたことがない。

いつも突然現れて、レンタル屋で借りたAVを鑑賞し、

なんやかんや感想という名の文句を言って帰っていく。

君の存在自体が、ザッと降ってすぐに止む通り雨のようだった。

僕がこの通り雨の後に行くあてもない気持ちの落としどころとして自慰行為をしていることを、

君は知っているのだろうか。

テレビから流れる女の喘ぎ声。

君が見るジャンルはいつもバラバラで、

今回はソフトSM物だった。

ベッドの上で縄で縛られた女が、相手の男からの快楽に溺れている。

僕は、テレビを見ている君の背中を見つめることしか出来ない。

ふと、君がこちらを振り向いた。

「私達も、する?」

君の手には、麻縄が握られていた―。

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